SORACOM Air&Beamで除雪車位置情報把握システムin work

 
date:2015.12.18   posted by:maeda
 

この度、宮下地区建設業協同組合と共同で除雪車両の位置情報把握システムを開発しました。
宮下地区建設業協同組合様は福島県からの委託を受けて奥会津地方(柳津町・三島町・金山町・昭和村エリア)の除雪業務を担っています。

システムは株式会社GISupply様が販売するSIMフリーのGPSトラッカーにSORACOM Air SIMを組み合わせ、設置した車両からのリアルタイムの位置情報をSORACOM Beamを経由して送信しています。

リアルタイム表示にはFirebaseを、ブラウザ表示するマップにはOpenStreetMapを採用しています。会津地方のOpenStreetMapはマッパー有志の手によって民家の位置まで細かく書き込まれており、他の地図サービスと比べて山間部でも圧倒的な情報量があります。

表示はPCブラウザの他、スマートフォンブラウザにも対応しており、車両に乗車するサブオペレーターが移動しながら他の車両の位置情報を把握、効率よく除雪業務を行うことができます。さらにリアルタイム表示のほか車両の走行履歴を検索・表示することも可能です。

以下開発を担当した林より、技術的な内容についての解説です。

林です。

本システムは以下の要素で構成されています。

  • ・GPSトラッカー+SORACOM Air SIM
  • ・SORACOM Beam
  • ・Firebase(リアルタイム表示用)
  • ・データベースサーバ(走行履歴アーカイブ用)
  • ・Webサーバ
  • ・フロントエンドマップアプリ(OSMベース)

このシステムでは除雪車両に設置したGPSトラッカーから取得した位置情報をマップ上にリアルタイムに反映しています。その大まかな仕組みは次の通りです。

(1)GPSトラッカーは一定時間毎に決められたURLに対してTCPでレポートを送信する仕様になっています。今回はレポートの送信先としてSORACOM Beamを指定して設定を書き込んでいます。
(2)Beamが受け取った内容をTCPからHTTP(s)に変換しWebサーバに転送します。レポートを受け取ったサーバはその中身を解析し、それをFirebaseとデータベースサーバに送ります。
(3)ユーザがフロントエンドマップアプリをブラウザで開くとWebSocketでFirebaseと接続されます。Firebaseに何かデータが入るとそれが即時に画面に伝わり、マップに反映される仕組みです。
(4)マップはOpenStreetMapを採用しています(会津エリアのOSMは異常なまでに細かいです笑)。
(5)データベースサーバは走行履歴データのアーカイブ用で、走行履歴ページでの検索に利用されます。

なおSORACOM Beamを挟まずにGPSトラッカーから直接Webサーバへレポートを送信することもできますが、その場合送信先を変更するには直接端末の設定を書き換える必要があり、テストや本番環境への切り替えが煩雑になります(その都度全てのGPSトラッカーを回収→書き換え→再設置が必要)。

その手間を省くためにも今回GPSトラッカーの送信先をSORACOM Beamに統一することで次のようなメリットがありました。

・送信先URLをウェブ上で一括管理でき、開発用、本番用などのグループに振り分けるだけで簡単にコントロールできる
・手軽にプロトコル変換が利用できる(GPSトラッカーからの送信はHTTPとTCPが選べるためどちらがよいか簡単に検証できた)

ただしGPSトラッカーからの送信内容に問題があった場合、その原因がトラッカーにあるのかBeamにあるのかわかりづらいのでそこだけ注意が必要です(今回Beamから転送されたレポートのエンコーディングがおかしかったのでSORACOMさんとトラッカーの会社さんの両方に問い合わせしました)。

このように携帯端末以外でもSIMフリーの機器とSORACOM Air SIMを組み合わせると、手軽かつ低コストで様々なシステムを構築できると思います。
同様のリアルタイム位置情報システムはニーズがあるようで既にいくつかお問い合わせを頂いています。
弊社ではさらにSORACOMさんのサービスを研究、活用させて頂きたいと考えています。

 
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